エダジュン「じめっとする梅雨シーズンに、さっぱり食べられるヨーグルトレシピ」

はじめての発酵食レシピ Vol.15じめっとする梅雨シーズンに、さっぱり食べられるヨーグルトレシピ

料理研究家・管理栄養士エダ ジュン

今回の食材はおなじみの発酵食品のひとつ、ヨーグルトです。冷蔵庫に常備している家庭も多いのではないでしょうか。料理研究家で管理栄養士のエダジュンさんに、ほのかな酸味とまろやかさを生かした驚きのレシピを考案していただきました。蒸し暑さが増していく季節、腸内環境を整えると言われるこの発酵食品をぜひ日々の料理に生かしましょう。

文:エダジュン / 写真:木村文平

アジアのヨーグルト事情

「毎朝食べる」という人が増えているヨーグルト。国内のスーパーでもさまざまな種類のヨーグルトが並んでいます。日本ではすっかり常備食品になっている印象があります。

でも、僕は料理の勉強のためもあって、アジアを旅することが多いですが、よく行くタイでは、食べたことがありません。台湾でもあまり食べている印象がないですね。白い食べ物は乳製品より豆腐や豆乳を食べることが多いからかもしれません。

反対にインドではヨーグルトをよく料理に使います。ラッシーというヨーグルトを使った飲み物もありますし、今回ご紹介するタンドリーチキンにも使います。

日本や韓国では今、水切りヨーグルトが流行っているようです。「水切り」はギリシャで生まれた伝統の製法で、「グリーク(ギリシャ)ヨーグルト」と呼ばれ、最近ではその専門店もあります。フルーツをたくさんのせて、スイーツのように食べています。

ギリシャ風とブルガリア風。もったりとトロトロを料理によって使い分けましょう

国内で市販されているヨーグルトは、まず大きく分けて、糖分が入っていて甘いものと、無糖のものがありますね。料理に使うには無糖のものがいいでしょう。合わせる調味料となじみがいいですから。

また粘度にも種類があります。水気が少なくもったりしたギリシャ風のものと、トロトロとしたブルガリア風のもの。この粘度は料理によって使い分けるといいですね。ギリシャ風は水気が少ないので、サラダに使うと水っぽくならず美味しいです。

また、素材を漬け込んで味をなじませるには、トロトロとしたブルガリア風のヨーグルトがいいかもしれません。今回タンドリーチキンにはこちらを使っています。

もったりとしたギリシャ風ヨーグルト(左)と、トロトロとしたブルガリア風ヨーグルト(右)もったりとしたギリシャ風ヨーグルト(左)と、トロトロとしたブルガリア風ヨーグルト(右)

さっぱり食べられて食欲増進。梅干しとヨーグルトの組み合わせ

日本ではデザートのイメージが強いヨーグルトですが、実は他の調味料と合わせやすく、もっともっと料理に取り入れられたらいいなと思っています。今回はタンドリーチキン、コールスローサラダ、梅干しと合わせたそぼろ丼をご紹介します。

「タンドリーチキンマサラ」は鶏もも肉1枚を6等分に切り、食べごたえを意識しました。スパイスにクミンを加えるとさらに本格的な風味になります。

「アジアンヨーグルトコールスロー」は僕が他の料理でもよく使う桜えびを合わせて、うまみをアップ。

「梅鶏そぼろ丼」は、梅干しとヨーグルトの組み合わせが軽やかで、さっぱりと食べられます。甘辛でこってり、単調になりがちな鶏そぼろ丼の印象が激変しますよ。

梅雨時から夏にかけて、食欲が落ちたと感じるときも、ヨーグルトのさっぱり感を料理に加えて、もりもり食べましょう。

発酵食RECIPE

タンドリーチキンマサラ

タンドリーチキンマサラ

▼材料(2人分)

鶏もも肉・・・1枚

おろしにんにく・・・小さじ1

塩・・・小さじ1/4

黒胡椒・・・小さじ1/4

〈トッピング用〉サニーレタス、トマトなどお好みで

〈A〉

カレー粉・・・小さじ2

クミンパウダー・・・小さじ1/2

ブルガリア風ヨーグルト・・・大さじ3

ケチャップ・・・大さじ1

オイスターソース・・・大さじ1

タンドリーチキンマサラの材料
▼作り方
  1. 鶏肉は6等分に切る。
  2. ボウルに鶏肉を入れ、塩、胡椒、おろしにんにくを順番に入れてそれぞれ揉み込む。
  3. Aを入れてさらに揉み込み、最低でも20分漬ける(2時間漬けるとさらに味が染み込む)。
  4. 冷たい状態のフライパンに油を入れずに3をのせ、ふたをして弱めの中火で5分間蒸し焼きにする。ひっくり返して、さらに5分間蒸し焼きにする。
タンドリーチキンマサラの作り方
アジアンヨーグルトコールスロー

アジアンヨーグルトコールスロー

▼材料(2人分)

桜えび・・・10g

キャベツ・・・200g

塩・・・小さじ1/4

〈A〉

ギリシャ風ヨーグルト・・・大さじ4

スイートチリソース・・・大さじ2

オリーブオイル・・・小さじ2

アジアンヨーグルトコールスローの材料
▼作り方
  1. キャベツを千切りにし、ボウルに入れて塩をふる。
  2. 1のキャベツがしんなりしたら軽く水分を切って、桜えびと〈A〉を加え、混ぜる。
アジアンヨーグルトコールスローの作り方
梅鶏そぼろ丼

梅鶏そぼろ丼

▼材料(2人分)

ごはん・・・お茶碗2杯分

鶏ももひき肉・・・200g

梅干し(種をとり、実を叩いておく)・・・2個(正味30g)

ブルガリア風ヨーグルト・・・大さじ2

醤油・・・小さじ2

みりん・・・小さじ2

オリーブオイル・・・小さじ2

〈トッピング用〉大葉(千切り)お好みで

梅鶏そぼろ丼の材料
▼作り方
  1. フライパンに分量のオリーブオイルを入れ、中火で鶏ひき肉をそぼろ状になるまで炒める。半分ほど火が通ったら、梅干し、醤油、みりんを入れて汁気がなくなるまで炒める。
  2. 1にヨーグルトを入れ、さっとあえて炒めたら、ごはんの上にのせる。好みで大葉をトッピングする。
梅鶏そぼろ丼の作り方

PROFILE

エダ ジュン

料理研究家・管理栄養士。1984年、東京生まれ。管理栄養士取得後、株式会社スマイルズ入社。SoupStockTokyoの本部業務に携わり、2013年に料理研究家として独立。「パクチーボーイ」の名義でも活動中。お手軽アジアごはんや、パクチーを使ったレシピが得意。著書に「フライパンひとつで!のっけ弁当」(学研プラス)、「アジア料理をカレーにしたら?」(文化出版局)、「野菜たっぷり具だくさんの主役スープ150」(誠文堂新光社)など。
●料理研究家としてのモットー
「料理にやっちゃいけないことはない」という気持ちを大切に、固定概念に捉われず、ワクワクする料理・レシピをお届けすることを心がけています。