料理研究家・管理栄養士エダ ジュン
文:エダジュン / 写真:木村文平
「毎朝食べる」という人が増えているヨーグルト。国内のスーパーでもさまざまな種類のヨーグルトが並んでいます。日本ではすっかり常備食品になっている印象があります。
でも、僕は料理の勉強のためもあって、アジアを旅することが多いですが、よく行くタイでは、食べたことがありません。台湾でもあまり食べている印象がないですね。白い食べ物は乳製品より豆腐や豆乳を食べることが多いからかもしれません。
反対にインドではヨーグルトをよく料理に使います。ラッシーというヨーグルトを使った飲み物もありますし、今回ご紹介するタンドリーチキンにも使います。
日本や韓国では今、水切りヨーグルトが流行っているようです。「水切り」はギリシャで生まれた伝統の製法で、「グリーク(ギリシャ)ヨーグルト」と呼ばれ、最近ではその専門店もあります。フルーツをたくさんのせて、スイーツのように食べています。
国内で市販されているヨーグルトは、まず大きく分けて、糖分が入っていて甘いものと、無糖のものがありますね。料理に使うには無糖のものがいいでしょう。合わせる調味料となじみがいいですから。
また粘度にも種類があります。水気が少なくもったりしたギリシャ風のものと、トロトロとしたブルガリア風のもの。この粘度は料理によって使い分けるといいですね。ギリシャ風は水気が少ないので、サラダに使うと水っぽくならず美味しいです。
また、素材を漬け込んで味をなじませるには、トロトロとしたブルガリア風のヨーグルトがいいかもしれません。今回タンドリーチキンにはこちらを使っています。
日本ではデザートのイメージが強いヨーグルトですが、実は他の調味料と合わせやすく、もっともっと料理に取り入れられたらいいなと思っています。今回はタンドリーチキン、コールスローサラダ、梅干しと合わせたそぼろ丼をご紹介します。
「タンドリーチキンマサラ」は鶏もも肉1枚を6等分に切り、食べごたえを意識しました。スパイスにクミンを加えるとさらに本格的な風味になります。
「アジアンヨーグルトコールスロー」は僕が他の料理でもよく使う桜えびを合わせて、うまみをアップ。
「梅鶏そぼろ丼」は、梅干しとヨーグルトの組み合わせが軽やかで、さっぱりと食べられます。甘辛でこってり、単調になりがちな鶏そぼろ丼の印象が激変しますよ。
梅雨時から夏にかけて、食欲が落ちたと感じるときも、ヨーグルトのさっぱり感を料理に加えて、もりもり食べましょう。
鶏もも肉・・・1枚
おろしにんにく・・・小さじ1
塩・・・小さじ1/4
黒胡椒・・・小さじ1/4
〈トッピング用〉サニーレタス、トマトなどお好みで
〈A〉
カレー粉・・・小さじ2
クミンパウダー・・・小さじ1/2
ブルガリア風ヨーグルト・・・大さじ3
ケチャップ・・・大さじ1
オイスターソース・・・大さじ1
桜えび・・・10g
キャベツ・・・200g
塩・・・小さじ1/4
〈A〉
ギリシャ風ヨーグルト・・・大さじ4
スイートチリソース・・・大さじ2
オリーブオイル・・・小さじ2
ごはん・・・お茶碗2杯分
鶏ももひき肉・・・200g
梅干し(種をとり、実を叩いておく)・・・2個(正味30g)
ブルガリア風ヨーグルト・・・大さじ2
醤油・・・小さじ2
みりん・・・小さじ2
オリーブオイル・・・小さじ2
〈トッピング用〉大葉(千切り)お好みで
PROFILE
エダ ジュン
料理研究家・管理栄養士。1984年、東京生まれ。管理栄養士取得後、株式会社スマイルズ入社。SoupStockTokyoの本部業務に携わり、2013年に料理研究家として独立。「パクチーボーイ」の名義でも活動中。お手軽アジアごはんや、パクチーを使ったレシピが得意。著書に「フライパンひとつで!のっけ弁当」(学研プラス)、「アジア料理をカレーにしたら?」(文化出版局)、「野菜たっぷり具だくさんの主役スープ150」(誠文堂新光社)など。
●料理研究家としてのモットー
「料理にやっちゃいけないことはない」という気持ちを大切に、固定概念に捉われず、ワクワクする料理・レシピをお届けすることを心がけています。