料理研究家・管理栄養士エダ ジュン
文:エダ ジュン / 写真:木村文平
ひとことでチーズと言っても、その種類は本当にさまざま。はじめに大きな区分でいうと、加熱処理をしていないナチュラルチーズと、加熱処理をしているプロセスチーズに分けられます。
チーズを作ったときの菌が生きているのがナチュラルチーズ。そのナチュラルチーズを粉砕、加熱して溶かし、乳化させたものがプロセスチーズです。こちらは菌は死滅してしまい、それ以上発酵熟成しません。その代わり日持ちがするということですね。
この連載では発酵をテーマにしていますから、菌が生きているナチュラルチーズを使いますよ。
ナチュラルチーズは世界で1000種類以上あると言われています。フランスでは村ごとに種類があると言われていますから、まるで日本の味噌のようです。
日本でよく食べられているのは、カマンベールチーズ、モッツァレラチーズ、ブルーチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ 、リコッタチーズあたりでしょうか。
スーパーでも手軽に買えるのでそのあたりの種類を知っておくといいかもしれません。柔らかいもの、硬いもの、味の淡白なもの、味の濃いものといった使い分けで料理にも使えます。それぞれのチーズで独特の塩味やうまみがあるので、そのまま食べるのももちろん美味しいですが、残ったら料理に使うというのもいいと思います。
今回の3つのレシピにはモッツァレラチーズ、ブルーチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノを使ってみました。
真っ白で柔らかなモッツァレラチーズは、淡白でクセがなく、何にでも合わせられます。今回は「和風オニオングラタンスープ」にして、和風のだしと合わせてみたのですが、意外になじみます。栄養価も高く、たんぱく質をしっかり取れるところも 良いですね。とろりと溶けやすい性質を生かして、スープの浮き実にしてみました。
ブルーチーズは塩味もうまみもしっかりときまっているので、淡白な素材を合わせるとケンカしません。ブロッコリー、カリフラワー、パスタなどと相性が良いです。今回はショートパスタを合わせて「ブルーチーズマカロニサラダ」にしました。おつまみにも、メインにも、ちょっとした付け合わせにもなりそうです。
最後にイタリア料理に欠かせないパルミジャーノ・レッジャーノを、僕の得意のエスニック風に組み合わせた「パルミジャーノが香る!焼きコーンのエスニック焼き飯」です。ナンプラーと合わせて炒飯にしました。今回は缶詰のコーンを使いましたが、夏場にはぜひ生のとうもろこしを使ってください。バター、ナンプラー、コーンの組み合わせは僕も大好きで、最高におすすめです!
ベーコン(薄切り)・・・3枚(約100g)
玉ねぎ・・・1個(約200g)
醤油(しょうゆ)・・・小さじ2
だし汁(かつお・昆布)・・・500ml
モッツァレラチーズ・・・100g
バター・・・20g
黒胡椒(くろこしょう)・・・お好みの量
マカロニ・・・100g
ブルーチーズ・・・60g
オリーブオイル・・・小さじ1
はちみつ、パセリ・・・お好みの量
ごはん・・・300g
コーン(缶詰・汁気を切る)・・・100g
鷹の爪(種を抜いて輪切りにしたもの)・・・1本
ナンプラー・・・小さじ2
バター・・・10g
卵・・・1個
パルミジャーノ・レッジャーノ・・・20g
PROFILE
エダ ジュン
料理研究家・管理栄養士。1984年、東京生まれ。管理栄養士取得後、株式会社スマイルズ入社。SoupStockTokyoの本部業務に携わり、2013年に料理研究家として独立。「パクチーボーイ」の名義でも活動中。お手軽アジアごはんや、パクチーを使ったレシピが得意。著書に「フライパンひとつで!のっけ弁当」(学研プラス)、「アジア料理をカレーにしたら?」(文化出版局)、「野菜たっぷり具だくさんの主役スープ150」(誠文堂新光社)など。
●料理研究家としてのモットー
「料理にやっちゃいけないことはない」という気持ちを大切に、固定概念に捉われず、ワクワクする料理・レシピをお届けすることを心がけています。