2025年3月14日、一般社団法人飲酒科学振興協会「やさしい酔い研究会」の主催により、第3回シンポジウム(会場:レンブラントホテル大分)が開催されました。
今回のテーマは「科学の力で切り拓く、お酒を嗜む未来」。協会代表理事の松浦恵子氏(大分大学医学部 教授)による開会挨拶後、協会副理事長の馬奈木俊介氏(九州大学大学院工学研究院 教授)、副理事長の吉本尚氏(筑波大学医学医療系 准教授)が講演。三和酒類 三和研究所の串尾聡之氏がアルコール体質キット「Nomity(ノミティ)」を使ったやさしい酔い普及に向けた取り組みについて活動を報告。また、特別講演として、ニュートン別冊「酒と人類」の編集を担当した中村真哉氏(株式会社ニュートンプレス 取締役 書籍編集部 部長)に編集にまつわるエピソードをお話しいただきました。
パネルディスカッションでは、冒頭に協会理事の今井浩光氏(大分大学医学部 教授)が話題提供。飲酒を取り巻く社会の考え方の変化に対応して、「やさしい酔い」は誰にとってやさしいのか、といった倫理学的、哲学的な観点からの提言や、松浦恵子氏の締めくくりもあわせて「適正な飲酒」についての科学的な根拠や事例を質・量ともに増やしていくことの重要性が再確認されました。
【開催概要】
名称:第3回 一般社団法人飲酒科学振興協会「やさしい酔い研究会」シンポジウム
テーマ:科学の力で切り拓く、お酒を嗜む未来
日時:2025年3月14日(金)13:00~16:00
場所:レンブラントホテル大分 二豊の間
[講演]
「飲酒寿命を探る:アルコール体質と健康・ウェルビーイング」
馬奈木俊介 九州大学大学院工学研究院 教授 / 主幹教授 都市研究センター長
「アルコール体質検査の現状と今後の展開」※リモート出演
吉本尚 筑波大学医学医療系 准教授 / 健幸ライフスタイル 開発研究センター長
[活動報告]
「やさしい酔い普及に向けた取り組み」
串尾聡之 三和酒類株式会社 三和研究所
[特別講演]
「科学雑誌ニュートンがお酒をテーマにした別冊を作りました!」
中村真哉 株式会社ニュートンプレス 取締役 書籍編集部 部長
[パネルディスカッション]
司会:松浦恵子(一般社団法人飲酒科学振興協会 代表理事)
パネリスト:中村真哉、馬奈木俊介(同副理事長)、今井浩光(同理事)、渡邊博子(同理事 / 大分大学経済学部 教授)、下田雅彦(同理事 / 三和酒類 取締役会長)
話題提供1「やさしい酔いにまつわる倫理 ― ’やさしい酔い’ は誰にやさしいのか?」
今井浩光 大分大学医学部 教授
話題提供2「やさしい酔いについて科学に期待すること」
松浦恵子 大分大学医学部 教授 / 学長特命補佐(ダイバーシティ担当)
[飲みニケーションワークショップ]
テーマ:最高の飲み会とは? 「アルパ」を高める工夫
●一般社団法人飲酒科学振興協会について
一般社団法人飲酒科学振興協会は2022年7月21日、大学の研究者と三和酒類株式会社が共同で設立した研究機関です。活動目的は、ダイバーシティ(多様性)を尊重する新時代に、お酒の適切な飲み方(適正飲酒)、「やさしい酔い」というお酒の楽しみ方について多面的科学的にアプローチし、社会実装していくことです。同年12月22日に「ダイバーシティ(多様性)に調和する、新時代の飲酒のあり方を考える」をテーマに発足記念シンポジウムを開催。2024年3月1日開催の第2回シンポジウムでは科学的根拠に基づく「飲酒寿命」という新概念が提唱され、その社会的意義が確認されました。
「やさしい酔い研究会」webサイトはこちら
(写真:三井公一)